階段に腰掛け、隣の猫を見守る様子

家族の「歩く」を支えたくて。私が関節トレーニングを始めた理由

こんにちは。鍼灸サロン東京ミチコの出口倫子です。

今日は、私が「関節トレーニング」、通称「関トレ」を学び始めたきっかけと、患者さんにお伝えしていきたい思いについて書いてみようと思います。

関トレは、理学療法士の笹川先生が提唱されているトレーニングです。関節を支える筋肉に目を向け、身体の状態に合わせて取り組んでいきます。

私がこれを学ぼうと決めた出発点には、義理の両親の存在がありました。

【兵庫に来て、感じたこと】
私が兵庫へ移り住むことになった理由の一つが、義理の両親の歩行困難でした。少しでも力になれればと先に兵庫へ来て、週に2〜3回のペースで訪問し、鍼灸やマッサージをしていました。

ただ、2人の身体の状態や、歩くことが難しくなっている理由は、それぞれ違います。自分が持っている技術でできることを重ねながらも、「これだけでは、十分に支えきれないのではないか」と感じるようになりました。

そんなときに思い出したのが、以前から鍼灸師の仲間たちに勧められていた関節トレーニングです。実は、数年前から気になって情報を追っていました。けれど、受講には大きな費用もかかるので、なかなか踏み切れずにいたんです。

それでも、両親の姿を見ているうちに、「今こそ、これを学ぶときかもしれない」と思い、受講を決めました。

【娘と2人、周りの人に助けてもらいながら】
当時、夫は東京で仕事を続けていて、約2年間は離れて暮らしていました。私は小学校1年生の娘と2人で、知り合いのいない兵庫での生活をスタート。近くに頼れる家族はいましたが、その両親自身も歩くことに不自由を抱えていました。

そんな中で、大阪まで研修に通うのは、正直なかなか大変でした。両親に協力をお願いしたり、大阪の友人に研修中の娘を見てもらったり。前泊して、せっかくだから娘との観光も楽しんだりしながら、少しずつ学びを重ねていきました。

そうして、約1年半かけて資格を取得しました。自分1人では難しかったと思います。娘も、両親も、友人たちも。それぞれの形で協力してくれたから、続けることができました。

【学びながら、両親と一緒に取り組んだ日々】
研修で学んだことは、両親の状態を見ながら、鍼灸やマッサージと合わせて取り入れていきました。私が変化を感じ始めたのは、取り組み始めて3か月ほどたった頃です。両親自身も真面目に続けてくれて、身体の変化を一緒に確かめていきました。

義母には、以前手術を受けた部位の状態が悪くなり、人工関節の手術について考えなければならない時期もありました。義父も歩くことに不自由を抱える中で、自分が入院しても大丈夫なのか。手術への不安や怖さも強かったと思います。

私も早めに対応してほしいと気持ちを伝え、義母は手術を受ける決断をしました。右と左の人工関節の手術を、時期をずらして受けたのは義母です。義母の入院中は、私が義父を見守り、少しお世話もさせてもらいました。

義母の手術の前後にも、身体の状態に合わせながら関トレを取り入れていきました。経過が良好だったことは、私にとっても大きな励みになりました。

もちろん、義母の手術や医療機関での治療、鍼灸、マッサージなども並行しています。経過のすべてを関トレだけの効果と考えているわけではありません。その中で、両親自身が取り組めることが増え、一緒に身体に向き合えたことに、私は大きな意味を感じています。

その後、夫も兵庫へ来てからは、両親の治療はほぼ夫にバトンタッチしています。

【患者さんにも伝えたい。でも、時間の壁もありました】
家族との経験を通して、青森や東京でお会いする患者さんにも、関トレをお伝えしたいと思うようになりました。ただ、私の通常の施術コースは長めです。

施術に加えて、動きを説明し、その方に合っているかを確認し、ご自宅でのやり方まで一緒に練習する。その時間を確保するのが難しく、なかなか積極的にご案内できずにいました。

けれど、やっぱり知っていただきたい。施術を受ける時間に加えて、ご自分の身体のために取り組める方法も、選択肢として持っていてほしいと思っています。

【必要なケアを、自分で選べるように】
関トレなどのセルフケアを取り入れることで、身体の状態が変わり、施術を受ける頻度が変わる方もいるかもしれません。私の治療に通う必要が少なくなったら、それも、その方にとってよい変化だと思うんです。

一方で、「ここに来ると癒される」「自分へのご褒美なんです」と、施術の時間を楽しみにしてくださる方もいます。セルフケアを取り入れたい方も、施術を受けながらゆっくり整えていきたい方も。その時々の身体や暮らしに合わせて、ご自身で選んでいただけたらと思っています。

関トレも、誰にでも同じ変化が起こるものではありません。痛みや病気、手術後の状態によっては、医師などへの確認が必要な場合もあります。だからこそ、無理に頑張るのではなく、その方の状態に合うやり方を一緒に確かめていきたいです。

家族の「歩く」を支えたいと思って始めた学びを、今度は患者さんにも。ご自分の身体と付き合っていくための選択肢として、関節トレーニングを知っていただけたらうれしいです。


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